SSブログ

ローラン勝利!コンタドール、ヴォクレール、みんなもがいた【ツール・ド・フランス 2011 第19ステージ】 [ロードレース]

ある意味、二度と見られないレースだったかも知れない。

不調のコンタドールが
他の選手も巻き添いにして、
見せ場を作った。

既に、プライド以外、何も守るもののないコンタドール
最初の登りからアタック、力の続く限り、走り続けた。

Modane モダーヌをスタートし、
数々の名勝負を生んだ、
Alpe-d'Huez アルプ・デュエズ まで
ステージとしては短めの109.5Kmを走る。
短めとは言っても、
1級山岳 Col du Telegraphe テレグラフ峠、
前日も登った 超級山岳 Col du Galibier ガリビエ峠、
そしてガリビエの超級ゴールと、
3つの登りを含むコースだ。
決して短い戦いではない。

はずだったが、
最初のテレグラフから
コンタドールがアタックしたため、
まるで登りの印象が違ってしまった。

コンタドールのアタックは
メイン集団も、逃げグループも巻き込み、
台風のようにゴールへ向かうこととなった。
圏外に去ったとは言え、王者。
昨ステージでは、アンディを易々と見逃した有力選手たちも彼を追う。
ヴォクレール、エヴァンス、シュレク兄弟、...

エヴァンスは追い切れず、
しばらくしてメイン集団に戻る形となった。
ヴォクレールも追い切れなかった。
単独走の形になってしまい、消耗したが、
フランスの英雄である姿を見せた。

アンディは途中から先頭に出るようになったが、
それまでは、コンタドールにアシストされているかのようだった。
コンタドールには、もう細かいことなどどうでもよかったのだろう。
付いて来るなら、付いて来い、というように、
ただひたすら前進する。

ラルプ・デュエズでは、
アンディたちも遅れ、単独トップとなった。

74a2e2698d51ad9c28dece78ebfb8384-getty-_.jpg
コンタドールも、邪魔となる観客に切れた
(写真:Yahoo!Sports 写真ギャラリーから)

一時は、このままで行くと奇跡的な逆転が予想されるまでのペースだったが、
さすがに人の子、最後は力尽き、
ローラン、サミュエル・サンチェスに
先行されてしまった。
しかし、形振り構わぬ走りは見ごたえがあった。

圏外の順位でなければ、
また、ツールの最終段階でなければ
このような走りは見られなかったと思う。

蛇足だが、
コンタドールには、
少し待って、ガリビエの登りからアタックする手があったと思う。
だが、それでは意表をつくことにはならなかっただろう。
************************************************
4700824bac0d489cc4b296659dbf90b8-getty-_.jpg
ステージ優勝のピエール・ローラン。総合でも10位に上がった。
(写真:Yahoo!Sports 写真ギャラリーから)

6606bb3066642e336530042d1cb68799-getty-119586838.jpg
やや恐縮気味のピエール・ローランと、
引かなかったことに文句を言わず祝福するサミュエル・サンチェス。
もっとも自身は山岳賞を得たので、不満は飛んでしまっていただろう。
(写真:Yahoo!Sports 写真ギャラリーから)

【ステージ結果】
1.Pierre Rolland ピエール・ローラン(ユーロップカー) 3h 13'25"
2.Samuel Sanchez サミュエル・サンチェス(エウスカルテル) +00'14"
3.Alberto Contador アルベルト・コンタドール(サクソバンク・サンガード) +00'23"
4.Peter Velits ペーター・ヴェリトス(HTCハイロード) +00'57"
5.Cadel Evans カデル・エヴァンス(BMCレーシング) +00'57"
6.Thomas de Gendt トーマス・デヘント(ヴァカンソレイユ) +00'57"
7.Damiano Cunego ダミアーノ・クネゴ(ランプレ) +00'57"
8.Frank Schleck フランク・シュレク(レオパード・トレック) +00'57"
9.Andy Schleck アンディ・シュレク(レオパード・トレック) +00'57"
10.Ryder Hesjedal ライダー・ヘシェダル(ガーミン・サーヴェロ) +01'15"

【総合順位】
1.Andy Shleck アンディ・シュレク(レオパード・トレック) 82h 48'43"
2.Frank Schleck フランク・シュレク(レオパード・トレック) +00'53"
3.Cadel Evans カデル・エヴァンス(BMCレーシング) +00'57"
4.Tomas Voeckler トマ・ヴォクレール(ユーロップカー) +02'10"
5.Damiano Cunego ダミアーノ・クネゴ(ランプレ) +03'31"
6.Alberto Contador アルベルト・コンタドール(サクソバンク・サンガード) +03'55"
7.Samuel Sanchez サミュエル・サンチェス(エウスカルテル) +04'22"
8.Ivan Basso イヴァン・バッソ(リクィガス・キャノンデール) +04'40"
9.Tom Danielson トム・ダニエルソン(ガーミン・サーヴェロ) +07'11"
10.Pierre Rolland ピエール・ローラン(ユーロップカー) +08'57"

************************************************
途中、噂されたように
コンタドールはリタイヤしてもよかった。
だが、彼はそのようにせず、
力不足の日も、このステージでも
ひたすら進むというプロの基本を見せた。

彼が正常な状態で、
このステージを勝利し、
マイヨを奪っても良かった。
しかし、
このように勝利せず、
戦い、力尽きる姿を見せたのも良かった。
そんな風に感じる。

************************************************
コンタドールと同じように、
ヴォクレールは
もう少し省力化し、
別の方向からマイヨ維持を図っても良かった。
しかし、戦うヴォクレールの姿は
フランスを満足させたと思う。

それにしても、ユーロップカーのチームは
ヴォクレールの影響を受けたにせよ、
立派な働きをしていると思う。

************************************************
この2人だけでなく、
昨日も消耗させられたエヴァンス、
シュレク兄弟たちも消耗した。
消耗した彼らの次の戦い、
個人TTが普段とは別の意味で楽しみだ。

エンジン付きのあの方は、
TTを控え消耗を避けたようだが、
それはそれで楽しみだ。

6faf914fe83dd1f7dbd436810c603612-getty-_.jpg
ゴール後、力尽きたカデル・エヴァンス
観客は優しい。
(写真:Yahoo!Sports 写真ギャラリーから)

91079e3251651bdfb0c8a0673d885a99-getty-119589582.jpg
フランク・シュレクも力尽きた。
(写真:Yahoo!Sports 写真ギャラリーから)

8e0e63e1875e61027c4acaaae9d9551d-getty-_.jpg
一方、ゴールしても力余るピエール・ローラン。
いや、優勝の嬉しさが、疲れを忘れさせるのだろう。
(写真:Yahoo!Sports 写真ギャラリーから)

d00b954f235c9de194208754f0036ac1-getty-119586695.jpg
兄さん、そんなに疲れて、いったいどうしたんだよ?
と、自身はマイヨを手に入れたアンディ・シュレク
やはり、嬉しさは疲れを吹き飛ばすようだ。
(写真:Yahoo!Sports 写真ギャラリーから)
************************************************
コンタドールに
彼には考えられないものだった、
敢闘賞・赤ゼッケンが与えられた。
意表を付かれたが、
意味的には、確かに敢闘賞だろう。
これも二度と見られないかも知れない。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。