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終盤大混乱の中、キッテルがスプリントを制す【ツール・ド・フランス2013 第1ステージ】 [ロードレース]

Porto-Vecchio ポルト・ヴェッキオから Bastia バスティア までの213Km
初のコルシカ島ステージ。
序盤に4級山岳が1つ、後半にスプリントポイントが1つという平坦ステージ。

やはり、ツールは違う。
今ステージ唯一の山岳ポイント。
先行5人の争いになった。
フレチャが行く。ルモワンヌはどうか。
ロバトが踏む。
最終的にはロバトが勝ち取った。
これで彼が山岳賞ジャージを着ることとなる。
この山岳ポイントの争い、久々の緊迫感。
他のレースで緊迫していなかったとは言わない。
だが、どこか違う。

プロトンを見ても、
全選手が「りりしい」。
緊張感とは違う、何か表現できない、選手の雰囲気が伝わって来る。
気を抜くことがないわけではない。
逃げグループの中でも
ベテラン、フレチャが他の選手と、にこやかに会話している。
もっとも、これは、後に「フレチャ・スペシャル」と名付けられた作戦の一環だったらしい。

先行の5人は、
Jerome Cousin ジェローム・クザン (EUC,53) 24歳
Juan Jose Lobato Del Valle ファン・ホセ・ロバト (EUS,115) 24歳
Lars Boom ラース・ボーム (BEL,161) 27歳
Juan Antonio Flecha Giannoni ファン・アントニオ・フレチャ (VCD,204) 35歳
Cyril Lemoine シリル・ルモワンヌ (SOJ,215) 30歳

tdf2013_stage1_flying_boat_s.jpg
(写真:こんなフライイング・ボートも登場。白戸さんが何度も驚嘆していた。 ライブ映像より)
スプリントポイントが近づく。

フレチャが行く。
誰も争わず、1人かと思ったが、少し時間を置きボームが追う。
フレチャに追い付く、後ろに付く、一気に仕掛けた。
ボームが抜く。
ボーム、フレチャ、ルモワンヌ

今度は、プロトンの争い。
ポイントは15位まで付く。
プロトンは、6位からのポイントを競い合う。
残り70Km付近から、ポイントを狙う各チームが前に出て来た。

結果的には、
グライペル、カヴェンディッシュ、サガン
(グライペル以外は、力を出し切っていない)

スプリントポイントを越え、
先行から、ロバトが落ちた。

集団も、これで一休み。
ゴールまでは、まだ59Kmある。

残り48Km付近 タイム差1'40"
ゴール目指し、各チームが前に上がって来た。
日本チャンピオンジャージの新城も、
チームメイト1人とともに左から上がって来ている。
正直を言うと、先頭選手の端に白いジャージのやつがいるな。
と思っていたら、新城だった。不自然ではない。
目立っていたのに、新城が来るという意識はなかった。

tdf2013_stage1_sagans_flag_s.jpg
(写真:右上には、道を半分塞ぐほどの巨大なサガン応援幕が... ライブ映像より)

残り37Km
先行集団は吸収された。
残り35.6Km
先頭のRLTが急にペースを上げた。
明らかに力を入れている。
BMC、TSTも前方にいて、これに遅れまいと合わせている。
ブルグハートも力が入る。
TSTがRLTの前に出た。
交差点を過ぎ、横風の強い地域に出た。
これを念頭に置いていたのか。
残り32.1Km
Uターンに近い左折。続いてタイトなロータリー。
後方はかなりきついだろう。
しかし、横風はあまり続かなかった。
風自体も思ったほど強くなかったらしい。

後方からスカイが一気に上がって来た。
最後尾では、パンクのブエがオフィシャルカーに守られ、付いている。

今ツールのブルグハートは、サングラスも掛け、顔、身体が引き締まっている。
少し前から、サガンも顔が変わり、風貌と表現した方が合うようになってきた。
これだけ勝って来て、何か威厳のようなものが出て来た雰囲気だ。
そういえば、昨ツールでは、その前後でウィギンスが豹変したことを思い出した。
ツールチャンピオンの位置は、重圧とともに人格をも変える力を備えているようだ。
(勿論、その人に元々あるものが出て来るに過ぎないとは思うが)

残り25Km
ようやく集団が少し落ち着き、
スプリントチームが前に出て来た。
OPQ、LTBなどがコントロールし、ペースが落ち着く。

カメラマンがそろそろゴール地点に戻って来たようだ。

残り14.5Km付近
フーガーランドが右側で落車。
道端のほぼ地面に沿った横長フラッグに触れた。

ちょうどそのとき、
ゴール地点では、OGEバスがゴールに衝突。
テロかと思うような爆音だったらしい。
白煙が立ち上がり、観客は逃げ惑い始めたという。
バス高がゴールより高かった。
ゴールで立ち往生だ。もうすぐ選手たちが来る。15分ほどか。
このままでは、ゴールスプリントが出来ない。

プロトンは、キャノンデールが前に1人出た。
その後ろにOPQ、RLT、OGE
右から、BMC、ALM
OGEが前に出た。
落車発生、CAN17
また道路左横長のフラッグだ。
ヘシェダルも巻き込まれた!
残り11.3Km
集団は、ややペースを落としている。
敢闘賞が発表になった、クザンだ。

残り10Kmのゲートをくぐる。
無線で、各チームにバスの話が伝わった。
ゴール地点が3Km手前に変更となった。

残り5.5Km(改訂後)
キャノンデールがペースを上げて来た。
ARG、OGE、OPQが前方にいる。
キャノンデールは2人+サガン。
距離感が掴めないままに上げてしまったか。
もうアシストがいない。

新規ゴール地点は小さいカーブだ。
スプリントには向いていない。
バスが動いた。
ゴールは元に戻るのか?

集団前方左側で大きな落車だ。
サガンも巻き込まれた。
ゴールが元に戻ったという。

サガンは駄目だ。
背中がドロだらけ。
マイヨベール争いはきつい。

グライペル、カヴェンディッシュは前に残っているようだ。
前は50人くらいだろうか。

今度はグライペルが佇んでいる。
落車をぎりぎりで避けた際、故障したか。
ジルベールも落車らしい。

本日のタイム差は付かないと発表があった。
総合勢は怪我していない限り、大丈夫だ。
順位だけは付く。

残り1Km手前で、テルプストラがアタック。
キャヴェンディッシュも前のグループにはいないようだ。

ゴスがゴール前のカーブを内側から越えたところで落車。

クリストフ、キッテルが行く。
キッテルの伸びがいい。
勝ったのは、キッテルだ。両手を上げる。
19歳のヴァン・ポッペルが3位の健闘。

コンタドールたちが到着。
コンタドールも落車したようだ。肩の辺りを切っている。
サガンたちが帰って来た。

【ステージ順位】
1. Marcel Kittel マルセル・キッテル (ARG,197)      
2.Alexander Kristoff アレクサンダー・クリストフ (KAT,103)
3.Danny Van Poppel ダニー・ファン・ポッペル (VCD,208)
4.David Millar デーヴィッド・ミラー (GRS,176)
5.Matteo Trentin マッテオ・トレンティン (OPQ,158)
6・Samuel Dumoulin サミュエル・デュムラン (ALM,)
7.Gregory Henderson グレゴリー・ヘンダーソン (LTB,26)
8.Jurgen Roelandts ユルゲン・ルーランツ (LTB,27)
9.Jose Joaquin Rojas ホセ・ホアキン・ロハス (MOV,129)
10.Kris Boeckmans クリス・ボックマンス (VCD,202)

いや、大混乱だった。

グライペルがRLTの選手と接触。
その際、グライペルのバイクから部品が落ちたという話だ。

今日はパレード走行中にフルームが落車するなど
最初から最後まで、波乱続きだった。
ジロの積雪中止もあったが、今年は各レース、滅多にないことが起こる。

キッテルはマイヨ・ジョーヌにうっすらと涙しているようだ。
キッテルはツール初勝利。
キッテルは25歳なので新人賞ジャージも獲得した。
今日は、山岳以外の全ジャージを得たことになる。

tdf2013_stage1_marcel_kittel_s.jpg
(写真:優勝し、マイヨ・ジョーヌを獲得したキッテル。まだ信じられないような表情をしている。 ライブ映像より)

水玉ジャージは、レース途中で確定していたロバト。

キッテルは、バスのことも、ゴール地点変更のことも一切知らなかったという
ただひたすら走ったという、スプリンターらしい話だ。

新城は99位。

トニー・マルティンが落車に巻き込まれていた。
鎖骨骨折でリタイヤ。
(翌日、訂正された。身体は痛めているがレースは続ける)

明日は、バスティオ、アジャクシオ間の山岳ステージだ。

tdf2013_stage1_oge_bus_s.jpg
(写真:件のOGEチームバス。ゴールゲートに食い込んでいたが、ようやく外れ、やや後方に下げられたところ。 ライブ映像より)

ところで、「フレチャ・スペシャル」という「作戦」だが、
ただひたすら逃げるのではなく、
1)ときどきわざと速度を緩め、プロトンとの差を縮める
2)プロトンとしては、適当な距離を置きたいので、
追い付くことを避け、こちらも速度を緩める
3)先行は、そのすきにスピードアップ
こうして、タイム差を稼ぐのが、この作戦というわけだ。
このステージでは、この作戦が繰り返し行なわれた。

確かに、タイム差は拡がったりするが、
これでは最後まで逃げ切るのは無理だろう。
スペシャルでなくても本来難しいものだが。

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