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コンタドール、エヴァンスにわずか及ばず【ツール・ド・フランス 2011 第4ステージ】 [ロードレース]

はっきり言って、予想はしていた。
コンタドールのアタックだ。
(某放送のクイズでもコンタドールに投票した)

いくらハンデと言っても、
このステージ前の総合順位は69位、
トップとのタイム差は、1分42秒だ。
自分が原因ではないだけに、
気持ち的に負担がかかっているだろう。

機会があれば、
早いうちに詰めておこうとするのは当然だ。
そんな彼にとって、
3級とは言え、地元では「ブルターニュのラルプ・デュエズ」と呼ばれる
ミュール・ド・ブルターニュの頂上ゴールは
僅かながらでも挽回のチャンスだ。


コースは、
Lorient ロリアンから
Mur-de-Bretagne ミュール・ド・ブルターニュまでの172.5Km

全体的には平坦コースとされているが、
最後のミュールがあるので、
スプリンターには無理があるだろう。
長く続く上りではないので、
フースホフトなら何とか付いて行ける。
総合系の選手を除くと、
ジルベールや、地元のヴォクレールが有力候補だ。

チームツイッタ-、選手個人のツイッターでは、
風、雨、細道などと盛んにつぶやかれている。
その通り、雨だが、この地方ではごく普通の状態。
全体的には雨の影響はなかったと言える。

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スタート前のゲラン・トーマス。ずいぶんと雨水が溜まっている。
(写真:Yahoo!Sports 写真ギャラリーから)

今日の逃げは5人。
10Km手前で、早々と決まった。
204 johnny Hoogerland ジョニー・フーガランド(ヴァカンソレイユ)
138 Jeremy Roy ジェレミー・ロワ(FDJ)
22 Gorka Izagirre Insausti ゴルカ・イサギーレ・インサウスティ(エウスカルテル)
106 Blel Kadri ブレル・カドリ(アージェードゥゼル)
84 Imanol Erviti Ollo イマノル・エルヴィーティ(モヴィスター)

もうお馴染みとなって来た、中間スプリントでは、
フーガランド、前のステージでも頑張ったロワが1、2位。
メイン集団では、ファラーが先頭を取った。

途中、先日のステージで落車しながら驚異の引きを見せた、
ファンデワール(オメガファーマ・ロット)がリタイヤという情報。
残念だが、持っている力は出し切ったのだろう。
立派な仕事振りだった。

昨ステージゴールでの残念がった動作が印象に残る、
ロマン・フェイユーがメカトラブル、
最初からマシンごと交換するつもりでチームカーを待っている。
プロトンを追いかける途中、
(許されてはいないことだが)
チームカーの後ろに位置し、親指を上にぐいぐい上げ、
スピードを上げろとのアピール。
だが、前が詰まっている。
ということは逆にプロトンが近いということでもあるが、
チームカーの隊列分は頑張って上がらなければならない。

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沿道には、この日のためにファンが作った様々なディスプレイが見られる。
これは、どこか歩いているプードルを思わせる。
(写真:Yahoo!Sports 写真ギャラリーから)

タイム差が縮まっては来ているが、わずかずつだ。
ブルグハート、カンチェっラーラが交互に引く場面も見られる。
残り3.5Kmで逃げを吸収。

ヒンカピーがエヴァンスのために引く。
いよいよミュールに突入。
残り1.4Km付近で、コンタドールがアタック。
これで先頭集団がかなり絞られた。

最後は牽制状態から、
エヴァンスがアタック、コンタドールが追う。
コンタドールが右からエヴァンスを抜こうとする。
だが抜ききれない。
最後はほぼ同時のゴール。
直後にコンタドールが勝利したかのように右手を上げるが、
これは勝ったとしたい気持ちの表れだろう。
わずかに届かない。
エヴァンスの勝利だ。

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コンタドールは歯を食いしばり、エヴァンスは叫んでいる。力のこもった、いい勝負だ。
(写真:Yahoo!Sports 写真ギャラリーから)

【ステージ結果】
1.Cadel Evans カデル・エヴァンス(BMCレーシング) 4h 11'39"
2.Alberto Contador アルベルト・コンタドール(サクソバンク・サンガード) +00'00"
3.Alexandre Vinokourov アレクサンドル・ヴィノクロフ(アスタナ) ++00'00"
4.Rigoberto Uran リゴベルト・ウラン(チームスカイ) +00'00"
5.Philippe Gilbert フィリップ・ジルベール(オメガファーマ・ロット) +00'00"
6.Thor Hushovd トル・フースホフト(ガーミン・サーヴェロ) +00'00"
7.Frank Schleck フランク・シュレク(レオパード・トレック) +00'00"
8.Samuel Sanchez サミュエル・サンチェス(エウスカルテル) +00'00"
9.Jurgen Van den Broeck ユルゲン・ヴァンデンブロック(オメガファーマ・ロット) +00'00"
10.Andreas Kloden アンドレアス・クレーデン(レディオシャック) +00'00"

【総合順位】
1.Thor Hushovd トル・フースホフト(ガーミン・サーヴェロ) 13h 58'25"
2.Cadel Evans カデル・エヴァンス(BMCレーシング) +00'01"
3.Frank Schleck フランク・シュレク(レオパード・トレック) +00'04"
4.David Millar デビット・ミラー(ガーミン・サーヴェロ) +00'08"
5.Andreas Kloden アンドレアス・クレーデン(レディオシャック) +00'10"
6.Bradley Wiggins ブラッドリー・ウィギンス(チームスカイ) +00'10"
7.Geraint Thomas ゲラン・トーマス(チームスカイ) +00'12"
8.Edvald Boasson Hagen エドヴァルト・ボアソンハーゲン(チームスカイ) +00'12"
9.Andy Shleck アンディ・シュレク(レオパード・トレック) +00'12"
10.Jakob Fuglsang ヤコブ・フグルサング(レオパード・トレック) +00'12"

コンタドールは、タイム差1’42”のまま、41位に上がった。
ほんの数cmの差で敗れたが、
この影響は、かなり大きいものだと思う。
プラスではなく、マイナスとして...。

少しでも早く追いつくため、
この時点で少なくとも勝負に出た。
が、珍しく(と言ってはエヴァンスに悪いが)、
エヴァンスに競り負けた。
結果の順位、タイム差はともかく、
勝つつもりで行き、
「負けた」ということが、気持ち的に大きく残る。

一方、エヴァンスは...、
これまで、不思議なほど不運も続き、
万年2位と言われて来た。
挽回しようと勝負に出ると、大きく順位を下げる。
自国の期待を大きく掛けられながらの不振。
ここのところ、アルカンシェルを獲得するなど、
いい方に向かって来ていた。
しかし、ツールではまだ総合勝利を自分のものにはしていない。

エヴァンスが初めてマイヨ・ジョーヌを身につけたとき、
涙が溢れそうになっていたのを覚えている。

差はどうあれ、
「コンタドールに勝った」
エヴァンスの気持ちは、コンタドールとは逆に、
大きくプラスの方に傾いただろう。
今日は彼の不運のひとつである
パンクにも遭遇した上でのことだ。
事実上、ツールのステージ初勝利でもある。

そう悪くはないが、決して「絶好調」とは言えない
コンタドールが、こうした精神的不利を
自らの力で吹き飛ばせるかどうか。
山岳ステージは、まだもう少し先だ。

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おまけです。ツールを見守る観客。
(写真:Yahoo!Sports 写真ギャラリーから)
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